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「高溶接性・強度・靭性を兼ね備えた高級高強度厚鋼板の実用化の先駆」
      鉄のモニュメント    宇治川 喜撰山発電所Walk     2009.5.10.
0906kisenyama00.htm  2009.6.5. by Mutsu Nakanishi

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宇治川 喜撰山発電所Walk 行程【Walking 距離 : 約25km】
9:04
JR奈良線黄檗駅→(バス)→ 9:20志津川口→志津川林道 →喜撰撰山ダム湖北縁10:20→喜撰山(往復)→  .
10;40喜撰山山頂(三角点)・喜撰洞→12:10ダム北縁で昼食
12:45
喜撰山ダム湖北縁→13:10峠 → 13:30 池尾集落---→ 志津川林道を志津川まで引返す ---→
15:00
志津川→ 15:15宇治川 天ケ瀬ダム --→(宇治川沿い府道を喜撰大橋・喜撰山発電所ダム放・取水口へ)
15:30
天ケ瀬ダム→17:14喜撰大橋・喜撰山発電所ダム放・取水口--→ (宇治川沿いを南郷洗堰へ) 
17:25
喜撰大橋→17:55曽束大橋・第二名神笠取IC分岐→ 18:22 南大津大橋・南郷IC分岐(Walk引返し点)
18:25
南大津大橋→18:43 JR奈良線宇治駅
( 日没 南郷目前で断念 ヒッチ・車に乗せてもらって 宇治川沿いの元来た道を引返す )
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  わが庵は 都のたつみ鹿ぞ住む
        世をうぢ山と  人はいうなり 」
                             - 喜撰法師 -
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鉄のモニュメント 
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宇治川 喜撰山発電所Walk

「高溶接性・強度・靭性を兼ね備えた 
     高級高強度厚鋼板の実用化の先駆   」
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1. .
  1.2.喜撰山ダム&喜撰山揚水発電所 概要
2. .
   2.2.ダム湖周辺 最奥の集落 池尾へ
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   2.3.天ケ瀬ダム
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   2.4.宇治川沿いを喜撰山発電所の水圧鉄管落ち口へ
3. 宇治川 喜撰山発電所Walk まとめ
喜撰山Walk photo アルバム
「 わが庵は 都のたつみ 鹿ぞ住む 世をうぢ山と 人はいうなり 」 百人一首 喜撰法師の歌である。
この5月 関西のツツジ・石楠花の名所三室戸寺に出かけようとgoogle earthで宇治周辺の衛星写真をみていて、
偶然三室戸寺の背後の山中に「喜撰山」とそのすぐ横に大きなロックフィルのダム堰堤があるのを見つけた。

琵琶湖を流れ出した瀬田川が京都府・滋賀県境の狭い渓谷を蛇行しながら山中を通り抜けて宇治に流れ下る宇治川。
京阪神の水がめ「天ケ瀬ダム」の西側の山中である。喜撰法師の百人一首と共にすぐに関西で始めて作られた大型揚水発電所
「喜撰山揚水発電所」のことが浮かんできた。
「喜撰山発電所はこんなところにあったのか・・・」と。

昭和43年鉄鋼会社に入って、研究所に配属になって、鉄鋼材料・溶接の技術者としてスタートを切った一番最初の仕事が大型揚水発電所向け高級高強度鋼板の開発と溶接技術の確立で、喜撰山発電所の建設が始まった頃である。 

旺盛な電力需要をカバーするための大型水力発電所の建設が待ったなしの時代。 
ダム湖から高落差の水圧鉄管を通して水を落として水車を回して発電する大型発電所。 
その水圧鉄管には極めて高い水圧と水衝撃が加わるので、その材料となる鋼板には厚肉で高い強度と靭性
そして 大型構造物建設の技術としての溶接の容易さが要求された。 
まだ、焼入れ焼戻しの高強度鋼板のJIS鋼材規格のない時代に待ったなしに実用化を達成せねばならぬ水圧鉄管(ペンストック)の厚鋼板・溶接技術開発のプロジェクトが目白押し。
そんな関西最初の大型溶接発電所「喜撰山発電所」の材料に直接加わったわけではありませんが、
その後のペンストックを中心とした開発プロジェクトに加わり、何度も聞いた「喜撰山」の名前である。

   ◆ 大型揚水発電所水圧鉄管と高級高強度鋼板の進歩

そして、この材料開発の流れが極厚の高級鋼板を開発を促し、本四架橋・タンク・高層ビル・各種プラントの構造材料が開発され、また、高靭性鋼開発に不可欠だった高清浄鋼開発はその後の自動車用鋼板開発や造船用鋼板のベースにもなった。
現在の日本の繁栄をもたらした高度成長を支えた鉄鋼業展開の道がみえる高級鋼板開発の先駆とも言える
「喜撰山発電所の水圧鉄管」だったと なつかしい私の開発屋人生の出発点でもある。
 
インターネットや電話照会などして調べると
宇治川右岸山中にある喜撰山の山頂部を取り囲むようにダム湖を作り、それを上池としてすぐ下の渓谷を流れる宇治川 天ケ瀬ダムを下池とする揚水発電所。
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宇治川の渓谷と山並みに阻まれ、険しい岩山が続く山中で、周囲に集落もないので、周辺の道からはこのダム堰堤・ダム湖は見えない。
また、ダム建設・発電所の道は険しい渓谷をジグザクによじのぼる道で発電所構内になっていて、近づくことが出来ない。 

地図には発電所構内の立派な道が見えるのですが、「個人による発電所域内 立ち入り禁止」になっていて立ち入れない。

わずかに宇治の市街地から山中に分け入り、志津川や灰山の集落からダム湖の北端の縁を通って最奥の池尾集落への道があるのみで、ダム湖の向こうに堰堤が見られるという。
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また、百人一首を読んだ喜撰法師が住んでいたという喜撰山も関電の用地の中にあり、「このダム湖の北端から喜撰山頂上へ踏 
み跡程度の道があり、頂上へは行けるが、ダム湖を含め、まったく展望は利かない」と聞きました。
「まあ そうはいっても、宇治川のすぐ傍 行けば どこからでも行けるだろう。
また点線の道も近くにあるようだ」と地図を片手に直接目にする喜撰山ダムに期待をふくらませて、「鉄のモニュメント宇治喜撰山walk」に出かけました。

この京都・滋賀の県境の宇治川周辺は本当に枝道がまったくなく、地図の道どおりにしか歩けない所 都市近郊で交通の便が悪いといっても何とかなると思いましたが、甘い見通しでした。

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 逆に言うとそんな場所だから、
 大型の揚水発電所を作ることが出来たのだとつく
 づく思いました。
 本当に建設のための道作りは大変だったろうとも。

 でも、野鳥がさえずり、新緑そして川・湖・ダムと
 こんな近く宇治に素晴らしい自然の景色が残されて
 いる

また、関西ではじめて作られた記念すべき大型の揚水発電所「喜撰山」。 
私にとっては材料技術屋のスタートで出会った感慨深い場所。若き日を思い出しながらの楽しい旅でした。


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