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「高溶接性・強度・靭性を兼ね備えた高級高強度厚鋼板の実用化の先駆」
鉄のモニュメント    宇治川 喜撰山発電所Walk     2009.5.10.
0906kisenyama00.htm  2009.6.5. by Mutsu Nakanishi



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1. 大型揚水発電所水圧鉄管と高級高強度鋼板の進歩   
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1.1. 水圧鉄管用 極厚高級高強度鋼板の進歩
まだ 鋼材規格もない昭和40年代 大型揚水発電所水圧鉄管用に開発された溶接性の優れた高強度・高靭性の厚鋼板がその後の本四架橋用厚鋼板・高層建築物用鉄骨鋼材へと技術展開され、大型鋼構造物展開の道を切り開いた。 
高度成長の屋台骨 大型鋼構造物群の品質の良い高溶接性高張力厚鋼板の実用展開の先駆が大型揚水発電所のペンストックである
敷設されたペンストック(水圧鉄管)の例  インターネット検索より

  地下埋設中のペンストック             ペンストック分岐部      水圧鉄管用極厚板の溶接継手試験片  
                 水圧鉄管の例 インターネット検索より


水圧鉄管用 極厚高級高強度鋼板の進歩 インターネットより採取
我が国の鋼材開発は過去 40年間大規模に行われ、
鋼特性は目覚しく進歩し、日本が誇る高級鋼材が誕生した。
これらの鋼板は同時に優れた靭性を有し、しかも厳しい環境
下での溶接施工から高溶接性も具備していることが必須条件
でした。
これらの高溶接性・高強度・高靭性を具備した高級高張力鋼
板(厚板)の開発が、溶接技術・加工技術・設計技術など周
辺のものづくり技術開発とあいまって、日本の産業基盤の整
備に書くことの出来ない材料として、日本の高度成長・産業
立国の基盤を作ってきた。 
特に水圧鉄間管は水力発電所で水車に水を導く急勾配の送水
管で、内側に高い圧力を受けるため、大型の発電所建設のた
めには、極厚のこの高級鋼板の実用が必須であった。
高度成長が始まる目前 逼迫する旺盛な電力需要を賄うため
の大規模発電所建設にあわせ、まだ鋼材規格が整備される前
から、この高級高張力鋼板開発の先駆的実用開発を官民挙げ
て推進して、大規模発電所の建設にあわせてきた。
特に昼間と夜間の電力ギャップを賄う大型揚水発電所の建設
ラッシュに合わせた技術開発は当時の先端技術開発の牽引車。
現在では、落差の大きな水圧鉄管に使用される鋼材は引張強
度980N/mm2級の超高強度鋼で、しかも200mm厚を超え
るまでに至っている。
鉄鋼の分野でいうと、この水圧鉄管を中心とした高級高張力
鋼鋼材の技術開発が、その後の本四架橋・海洋構造物・タン
ク・高層ビル建設用鋼材などの高級高強度鋼板へと展開され
ていったのである。
   (なお、この時代 上記した高級高張力鋼板の展開と共に、造船用鋼板・ボイラーなどの耐熱鋼材・パイプライン
    そして自動車用の薄鋼板などの進歩が日本の高度成長の基盤素材として、日本の鉄鋼業を大きく発展させた。)
 
◆ 有持和茂「高張力鋼板の最近の進歩-高強度化から高機能化へ」より
www.jtccm.or.jp/library/jtccm/public/b-number/0406_kikou.pdf

ペンストック(水圧鉄管)は従来から最も高強度かつ厚肉の鋼材を使用してきた鋼構造物分野のひとつであるが、
大形の揚水発電所の登場と共にこの傾向は益々加速され、図に示すように現在では国内外で板厚200mmを超
えるHT780鋼が実用されている。
また、最近スイスにおいて実用溶接構造用鋼板としては現時点で最高強度のHT980鋼を用いたペンストック(水圧
鉄管)が世界最高の落差1880mを有する水力発電設備として建設され、また国内においても同鋼を用いたペンスト
ック(水圧鉄管)建設工事が開始されている。


 


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0906kisenyama01a.htm    2009.6.5. by Mutsu Nakanishi