尼崎は東から西へ 南北に流れる神崎川 庄下川 武庫川に挟まれ、東西に市域をほ
ぼ等間隔に平行に3本の電車と幹線道路が走る。
南の大阪地先の埋立地をかすめて東西に走る阪神高速道湾岸線から 阪神高速道が上を走る国道43号線までが南部工業地帯でそれより北側に阪神電車・阪神国
道(国道2号線)・JR東海道線・山手幹線と名神高速道路・阪急電車である。
そして、その市域の約半分を占める国道2号線・JR東海道線あたりまでが、ゼロメートル地帯。
1950年のジェン台風の高潮でこの一帯が水没。
幼い時であるが水没した周辺の記憶が今もはっきり残っている。
これを契機に尼崎の海岸部から川筋には尼崎を取り囲む巨大な防潮堤が築かれ、海からの水の浸入を防ぐと共に、河からの排水は河口近くに作られ
た水門・大ポンプ場から強制排水する体制がつく られた。
一方 港にはパナマ運河方式の閘門が築かれ、海の水位から港内の河の水位へ水位調整
して港内の運河・工場街に入る。 すごいものができたと活気あふれる工場街を通って 何度か見学に行った記憶がある。
今は護岸をかねて遊歩道が、川筋をめぐり、美しく整備されたという尼ロック。また、そのすぐ南にはすぐ最近まで、カ
ラフルに塗られた建物で、元気に煙突から白煙を吹き上げる関電の尼崎発電所があった。
現在ここはパナソニックPDPの主力工場に変身し、今もさらに大拡張
工事が進められて、新しい産業立 地として 注目を集めている。
また、かつては「鉄の街」といわれ、重厚長大産業の中核地も尼崎の青空が象徴するようにハイテク化が図られ、大きな変貌を
遂げている。 |