出会いたかったこの光景。
細長くスロープを描いて西に伸びる丘陵地の左手 こんもりとした林の前に
「西のむら」の土屋根の竪穴住居群が復元されている。
何度も写真で見たことがあるが、土屋根が周りの自然に溶け込んで実に美しい。
土屋根に草が生え、緑の三角の柔らかなスロープが実に良い。
今まで見てきた縄文遺跡 竪穴住居群とは本当に印象が違う。 これが縄文のむらのの姿だと聞く。
やわらかい緑の住宅群がこちらに口をあけて建ち並ぶ。振り返る広い草地全体にも 同じ緑の住宅群が建ち並んでいた。
「これが縄文の集落なんだ」と頭にしっかりインプット。
復元住宅というと復元された当座はよく手入れされているが、その後放置されて荒れてしまうのが常。
でも、本当によく手入れされ、緑の縄文の村のイメージを高めてくれているのがありがたい。
このやわらかい緑の屋根のスロープは何度見ても飽きない。
復元された竪穴式住居の入口から中に入ると、 雪が深いための寒さ対策であろう 意外と竪穴が深い。
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御所野遺跡 竪穴式住居の内部
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竪穴式住居の骨格図(一般)
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以前北海道南茅部大船縄文遺跡の竪穴式住居ほどではないが、深く入口には段梯子が取り付けられ、竪穴の周囲の土手には土留めの役割もあるのだろう杭が土手の高さで張り巡らされていた。
竪穴の中央に炉が組まれ、4本の柱で竪穴住居の骨格が作られている。
御所野遺跡では大型の竪穴住居では6本柱のものもあるという意外と広い住居の内部。
しばらく 真っ暗な家の中に座り込んで、静かな空間を楽しむ。
【竪穴式住居】
住まいの原型といえる竪穴氏住居はその地方の気候・環境に対応して快適に暮らせる様に数々の工夫がなされてる。
住居の形を決める穴の形は円形・楕円形
・四角と色々であるが、一般には地面に丸く浅い穴を掘り、周辺にその土を積み上げ、雨水の進入を防ぐ土手にする。次に、竪穴の中央付近に四本の柱を立て、その上にはりを組み、中心のはりに向けてぐるりと丸太を架け、骨組みをつくり、その上に萱(かや)やワラなどの草を厚くふいて出来上がり。
室内の中央には炉がすえつけられる。厚く草をふいた屋根は、夏の強い日差しと冬の寒さを防ぎ、一段掘り下げた床は、地温によって、冬は暖かく、夏は涼しく保たれる。
地中深くの温度は、夏も冬も一定で、竪穴住居は、寒い地域ほど掘り下げが深く、北海道南茅部の大船遺跡の竪穴住居では深さ2.4mほど身の丈を越える。 この雪深い御所野遺跡でも 穴の深さは深い。
東のむらから西へスロープを降りた平坦地がこの丘陵地の中央 そこに中央のむらが見える