2050年脱炭素カーボンニュートラルを宣言した政府。一機に日本も脱炭素社会に向けての動きが活発になった。
◎水素燃料電池車の販売【自動車】
◎海外で褐炭から水素燃料取り出しプロジェクト参加【鉄鋼・ガス・造船・ブラント】
◎液化水素運搬船進水【NEDO・造船】
◎水素燃料によるガスタービンエンジン開発【重工】
◎産業界の中でとびぬけて排出量の多い鉄鋼 生き残りをかけた脱炭素取組へ
◎水から水素を効率的に製造
反応10倍の触媒開発、京大ほか
◎石炭火力への新規投資・建設からの撤退?
等々
コロナ禍の中で、日本の弱体化が嫌というほど見えて、その立て直しには新しい産業の創生が待ったなしの事情もある。
でも またぞろ政治家の人気取り丸投げ政策の花火に終わるかもしれぬと。
カーボンニュートラル宣言目標の2050年。
初めて2050年か-ボンニュートラルへ向けての数値目標付きロードマップがある取り組みが提示されてはいるが、
それを達成する技術イノベーションのロードマップはどうなのだろうか…・
個々の分野技術イノベーションの積み上げロードマップと全体とが有機的に結びついているのだろうか…・
またぞろそこのところが有識者会議だの検問化会議など一番統率力を発揮すべき政府の関与の仕方があいまいに。
一番の推進力の頂点があいまいに見える。官僚たちがキャスティングボートを確保する知恵なのでしょうか…・
それが一番日本の政治をダメにしていると見えるのですが……・
その影を日本の根幹ライフライン電力エネルギーロードマップに見えるこ
現在の主要エネルギーを供給する原発・石炭火力問題にきっちりとした数値議論をあいまいにしたまま、
自然再生エネルギ-に転換するとしている。
高効率の超々臨界圧の石炭ボイラ-や原子力を残しつつ、発生炭酸ガス削減は天然ガス混焼やアンモニア・水素燃料等に
置き換える一方残る炭酸ガスは森林他での固定でカバーすると。
いかにも総花的で具体的アプローチが提示されていない。ここが崩れれば、前の計画が立派でも全体が崩れる。
しかもこの分野は日本の地方国土を巻き込む一番むつかしいところ。
ポランティアや地方への丸投げでは動かない。事実洋上発電他国内立地では中断しているものが多い。
また水素燃料に至っては膨大な必要燃料化するプランすらこれからで、クリヤーすべき膨大な技術イノベーション・
インフラ整備等が山積み。海外立地を含め、過大なリスクを伴う投資も必要となる。
それこそ国を挙げての丸投げ、民間主導ではどうにもならず、綱引きやっても進まぬ課題である。
そんな課題がほかにも幾つもある。
とにかく新しい技術イノベーションを明確にし、達大目標達成へ大きな展開過程へステップアップした記述がない。
この主要技術14項目各ロードマップの実行指揮官も明確でない。政治家ではどうにもならぬ。
あの「はやぶさ」プロジェクトに見られた流れにいつ載せられるのだろうか・・・・・・・・・・・・
楽しみでもあり、開発プロジェクトのだいご味
応援したいと切に思う。
ぬるま湯日本のつけ? すでに日本は富んだ国ではない 日本人の賃金は韓国よりも低い
日本の現状は極めて厳しく、この課題取組によるイノベーションがなければ、
先進国から最貧国に落ちぶれる危機に瀕しているのが今の日本の国情。
それを示す示すデータがある。
2018年 世界各国年収比較図(左)と各国のここ10年平均賃金推移比較(右)
主要先進国の中で、この10年全く平均賃金が上がっていないのは日本のみ。
韓国にも平均賃金で追い抜かれているとの事実がある。
好景気 好景気と言われながら、全く実感はなく、なにか国際競争力維持のためと思い込まされていたきらいがある。
2018年の年収データ図では、日本は発展途上国も含め世界的にみると給料の高い国ですが、
先進国の中では給料の少ない国だと言える。
この図ではまだ韓国の平均賃金より日本が少し上回っている図になっていますが、平均賃金ではすでに韓国以下。
2019年における日本人の平均賃金(年収)は3万8617ドル、米国は6万5836ドル、ドイツは5万3638ドルと大きな差。
それだけではない。かつては途上国というイメージの強かった韓国ですら、4万2285ドルとすでに日本を追い抜いている。
日本人の賃金は米国の6割程度しかなく、韓国よりも低いというのが偽らざる現実である。
大阪の難波周辺を歩くアジアの観光客の群れを見ていて、日本の方が富んでるとはとても思えず、
不思議がっていたのですが、これが今の現実。
またこの10年の平均賃金推移をみると先進主要国の中で、唯一日本だけが全く平均賃金が上がっていない。
好景気 好景気が持続と言いながら…である。
これも思い当たる節がある。 この10年働き方改革等ともてはやしながら、モノづくり投資をせず、
非正規雇用の拡大がこの図の裏にあるとみる。
正規労働者の約1/3に迫る勢いで、非正規労働者が増え、このコロナ禍の中で雇い度目の目にあっている。
こんな国は日本だけたという現実。
日本は裕福な国というのはもうはるか昔の現実なのだ。
コロナ禍で垣間見える疑問がこの数字に端的に表れている。
もうかつての富んだ国は幻想。 韓国にも抜かれている現実。
コロナ禍の経済立て直しと掛け声ばかりの日本。
現実は新しい成長産業を自らの手で編み出さないとますます日本は最貧国に落ちぶれる危機にある。
TVやマスコミがあおる裕福な国でない。
国民みんなが考えること行動することを忘れ、頂点同調に追従してきた結果がこれである。
「まさにぬるま湯 日本」出ある。若者型の新しいリーダーが必要な理由もここにある。
お題目を並べ、ねばならぬ・べきである論を振りかざしてもどうにもならない。
きっちりとした組立てと着実な実践履行を進める指導者が出ない限り、ますます世界と日本の差は広がるだろう。
世界はしっかりとした未来のロードマップをえがき、その中に達成チェックの数値目標マイルストーンを置いて、
推進を図ってきた。どんぶり勘定 頂点同調の日本が一番苦手なことである。
このコロナ禍の中で、経済がメチャメチャな今こそ、日本再生するチャンス。
低炭素社会到達・カーボンニュートラルの達成はそんな日本再生の取組ととらえたい。
モノづくり企業やその周辺ではすでに、その存続の危機感とともにそれを感じ動き始めた。
でも 日本の中心たる政治家・政治 それを取り巻く官僚機構にはその覇気が見えない。
いくら大きな声で宣言・べき論を打っても世界には響かない。
きっちりとした立案 そしてロードマップを持て自ら実践成果に裏付けられた推進が図られなければ絵にかいた餅。
2050年カーヘボンニュートラル宣言と政府脱炭素社会を目指す14重点項目策定だけが
お題目として民間任せではそれこそ絵に描いた餅。
それにはなんとしても若い発想を持ったニューリーダーの指導性が必要ではないだろうか…・
高度成長期 多くのリーダーが「やってみなはれ みたり 聞いたり ためしたり」と
若いリーダーを育て、技術イノベーションの連鎖により、
モノづくり革命が進行して日本の繁栄がもたらされたように。
いまこそ 頂点同調・ぬるま湯日本からの脱皮が必要か…・ 頑張れ日本。
2021.3月 コロナ禍後の経済再生・脱炭素社会の構築に向けて
2021.3.10.
Mutsu Nakanishi
■ 参考【From
Kobe 2月】
「2050年カーボンニュートラル 政府脱炭素社会を目指す14重点項目策定
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