〔「鬼の唸り・鳴釜」モデルでの「唸り」の再現〕
吉備津神社 御釜殿 「鳴釜」
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「鳴釜」再現モデル
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大 〕
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【 モデル釜 唸りsound
〔6.8MB WAV file】 【 モデル釜 「唸り」の再現動画
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こんな簡単な円筒構造の底でお湯を沸騰させて、白米を注ぐだけで、本当にあんな大きな音がでるやろか・・・と半信半疑。加熱はガスコンロ 組み立てた円筒をガスコンロにかけ、ポットのお湯をコップ1/2程度注ぎいれるとまもなく盛んに沸騰蒸気が上の口から出てくる。「お米」をサーと上の口から入れると「ポォ〜ポォ〜」と大きな音が出た。
ちょっと吉備津神社で聞いた音よりも高いが、済んだ「鬼の唸り」である。15秒ほど鳴って す〜うと音がきえました。
そして、ガスの火を切ると ちょっと間を置いて また 「ポォ〜ポォ〜」と大きな音が出て 消えていきました。
「これ 薄暗いところでやったら 本当におどろくやろなぁ」と。
「何も予期せず、吉凶占ったげると言われ、急に「唸り声」 やっぱり 仰天しただろう」
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モデル釜内部
金網を張ったAl
円筒 |
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お湯を入れる
量は下の缶半分程度 |
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お湯の加熱沸騰
盛んに蒸気を噴出 |
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白米を内部金網へ |
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「唸り」音が響き
しばらくして止む |
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火を切る
再度「唸り」音
しばらくして止む |
インターネットを調べると小中学校の理科教材から高校生・大学の再現実験・メカニズムの検証まで多くの人がこの「鳴釜」に取り組んでいました。科学技術はやっぱり「不思議やなぁ」「見たり 聞いたり 試したり」がベース。多くの若い人たちが「鳴釜」を試しているのにうれしくなりました。
鳴釜のモデル釜の製作はいたって簡単。
材料は缶ビールのアルミ缶3個と細かい金網とあとはシール・組立用のビニールテープ・アルミテープ。アルミ缶ひとつは底を残して上部を切り取り、上部に金網を張る。残りの2つは上下を切り取り、先の金網を張った缶に竪に被せて、円筒のモデル釜とする。
つなぎ目はビニールテープで固定してその上にアルミテープをしっかり巻きつけ、気密を図る。15分もあれば完成である。
このモデル釜に底の缶の半分程度お湯を入れ、ガスコンロで加熱沸騰させ、蒸気が盛んに立ち昇るのを確認して、円筒の上部から「白米」を入れてゆくと、澄んだ「ぽぉ〜 ぽぉ〜」の音が鳴り響き、15秒ほどで鳴り止む。
そして 火を切ると一瞬置いて、再び澄んだ「ぽぉ〜 ぽぉ〜」の音が鳴りだし、それから消えてゆく。
「唸り」はどうも 金網の所に温度の低い白米が投入され、温度の急勾配ができたことによるらしい。
温度勾配のある細い隙間を蒸気が通り抜けるときに急に冷やされて凝縮。この周辺には刻々変化する細かい空気圧の違い・乱れが発生。
この空気の揺れ・ゆらぎが連続し、振動が励起されて筒と共鳴振動を起こして大きな音を出す。
そして、この揺れは温度勾配がなくなるまで続き、温度が均一になると音が止む。
加熱を止めるとアルミの円筒筒は一気に室温に冷やされ、底の釜(一段目の缶)内部では、一気に水蒸気が凝集しはじめ、
同時に、先に100度近くまで上昇した白米は冷えにくく、この部分周辺に再度大きな温度勾配が発生し、
ここでもまた「唸り」音が出る。
(木製の蒸篭・すのこは熱容量が大きく、蒸篭のすのこ周辺で急冷しないので、加熱をストップ後の「唸り」音はでにくいという。)
澄んだ不思議な音。「鬼の唸り」の音である。
ちなみにこの音の周波数は円筒の長さ 大きさは水蒸気の上昇気流の速さにより変化するという。
この現象は円筒管の一部に大きな温度勾配部を作って空気の乱れを作る時に発生する「レイケ管」のメカニズムに近いといわれる。
「鳴釜」では温度勾配がレイケ管ほど大きくないが、それに水蒸気の凝集が加わり、空気の揺らぎを作り出す。
アルミ円筒モデル釜での火を切った後 再度「唸り音」が出るのは「レイケ管」の現象と同じといえるかも知れない。