home page top | 新着monthly page | 2012和鉄の道 | 2012風来坊 | 2012四季折々・from Kobe | 和鉄の道 file DOCK | 全ファイル収蔵庫 top |
今年1月末から2 月にかけて 4 回にわたって放送されたNHK
特集「ヒューマン なぜヒトは人間になれたか」の番組。
すでにご覧になった方も多いと思いますが、本も出版されていますが、面白くて興味深く読みましたので内容を少しご紹介。
いま、70
億を超える人口を抱える現代社会は地球温暖化をはじめ幾多の地球規模の問題を抱え、「人間の本質」を知らなければ何一つ解決の道は生まれない。
人類は難局に遭遇するたびに「心を進化させる」ことで
幾多の難局を克服してきた歴史がある。
他の動物にはない「心・心の進化」を検証することで「人間の本質は何か」を解き明かす番組。
ヒトと動物を分けるのは
道具・言語の発明 火の使用などハード面ばかりが取り上げてきたのですが、この番組では
それをもたらしたホモサピエンスの行動を本能として備わっている「仲間を大切に思う心の進化」と「集団の協力」の視点から、一つ一つ論証し、難局を乗り越えていく姿をくっきりと浮かび上がらせてくれ、
すっかりのめり込んでいました。
先頭に戻る
まとめPdf file listに戻る
それは 厳しい環境変動にさらされる度に心を進化させ、本能ではなく
心から出た協力・共感から生まれる行動で難局を乗り切ってきたという。人を他の動物と区別するのは「心から生まれる行動」が出来る存在であり、
それが生む集団の協力で今の繁栄を築き上げてきたという。 種をつないでゆく本能行動ではなく「心から生まれる行動」とは「相手・集団を思いはかる中から生まれる行動」
ちょっと見では「そんな なまっちょろい行動で厳しい生存競争を生きのびられるのか・・・・・」と思うのですが、
多くの人類〔原人・猿人〕が絶滅してきたこの6万年の人類の歴史の中で
「たった一人の女性の子孫が生き繋いできた根拠が「心の進化」」の具体的な姿を一つ一つ見せられて
一挙に考えがひっくり返ってしまいました。
種をつないでゆく本能行動ではなく「心から生まれる行動」とは「相手・集団を思いはかる中から生まれる行動」
人類誕生まもなく東アフリカの草原で数家族の小集団で狩猟採集生活のホモサピエンスのそんな心の行動のひとつ
食糧調達は不安定なもの こんな狩猟採集の生活を支えたのは食糧をとった人も取れなかったヒトも完全平等に分けること。
この食糧を集団の中で分ける行動は他の動物でも
種をつなぐ本能行動として存在している。
しかし、ヒトの集団では、顔見知りの近隣集団が危機に陥ると一緒に食料を分け合う「心の行動」が狩猟採取の生活をする集団で確認されているという。そして、食糧が厳しい環境の中
この「分け合う行動」が集団の生きる道を大きく広げてくれたという。
集団に属さないヒトとの交流
・離れたところに住む集団との「分かち合う心」の行動はヒト以外にはない。
もちろん 本能行動として「なわばり」を侵された時の戦いも忘れたわけではく、それも存在する。
ただ 直接つながっていない集団の人達との「分かち合い協力する互恵の関係」が築かれている。
この「分かち合う心」が狩猟採取の生活の中で、醸成されている。
そして、「化粧・装身具を送り合う」
贈り物の行動がこんな中で生まれたというが、
「心を分かち合う」仲間・集団を識別する生きる知恵。 「小さな縄張り」から広いネットワークで集団がつながってゆくことで、格段に狩猟採取の生活は安定してゆく。
「化粧や装身具 分かち合いの心が通じる仲間への送りあい」が生活を安定にし、コミュニケート手段であるなど思いもよらず。
また、人類は多産な種族であるが、多産を可能ならしめたのも、集団で出産を助け、子育てを助ける「分かち合う心」からの行動があるからだという。
同じ種から分かれたチンパンジーの出産間隔は5
年 オランウータン 8 年 ゴリラは4年。
次々と示される具体的な論証にこの「分かち合い・協力の心の進化から生まれた行動」が人類繁栄のキーと思えてきました。
狩猟採取の中で醸成・進化した「分かち合う心」の行動が
格段と現生人類・ホモサピエンスの生存率を改善したろう。
協力なくしては生き延びていけない存在のホモサピエンス。それを可能ならしめたのが「心」の進化。本能行動のままの生活ではすぐに絶滅していたに違いない。
ホモサピエンスの「心の進化」が激変する環境変動を克服してゆく原動力となって、厳しい生存競争を生き抜いてきたのだ。
現代人の「心」の中にもこの人類の歴史が詰まっている。
「この人類互恵の心の進化の歴史をたどれば、良くも悪くも現代人 今の行動が見え、未来も見えるだろう」
私は良く「心優しき縄文人 縄文人は日本人の心の故郷」と話すのですが、そのルーツが「狩猟採取の厳しい生活がもたらした心の発露だった」など思いもよらぬこと。
すごく重みのある言葉として
びっくりで、現代人が失いつつあるものまた、力なく葬り去られようとしている行動にもう一度
活力を奮い立たせてくれる話である。
情報過多かつ多様な行動がそれぞれ勝手気ままにすべて許されるといった風潮の昨今、
しっかり見据えねばならぬ道を教えてくれた番組でした。 ヒト「分かち合う心・通わせる心」 河合信和著 2009 『人類進化99の謎』 文春新書より ふっと縄文人を思い、また、東日本震災・原発事故に被災された人達を思うとき、 いかに独りよがりの冷たい対応が横行していることかと・・・・・・。
日本人が今歩んでいる道は繁栄をもたらすのか
それとも破滅への道か?? 示唆に富む具体的内容がぎっしり。
もう一度しっかりこの番組を見て、気になった事項を忘れぬよう断片的になっても自分の記録にしておきたいと思い、この一文を作成しました。
この番組の特別取材班が書いた本「Human
ヒューマン なぜヒトは人間になれたか 」が出ているのを知り、
本を読みながら、番組映像を再見して、私なりに心に留めておきたい事項を箇条書きで記録。
なお、図・写真は基本的にはNHK
特集の映像記録から採ったものに一部BBC 地球伝説ならびにインターネットから採取した図を補足しました。
私の思いの私的な記録です。
皆様に参考になれば・・・・・・・と下記のPdf
fileに私の番組を見た感想を含め記録しました。
私の私的な視聴記録ですが、皆様の何かのお役に立てばうれしいです。
◆
〔集団の試行錯誤と共有〕
絶滅の危機を救った道具の発明と急速な広がりは分かち合う心・協力の中から生まれた ■「分かち合う心」の進化が 現生人類を他人の顔を気にする存在に 他の動物にない心の行動のひとつである 一杯
50 円ですと書かれて設置された無人のコーヒー販売 一体何人がお金をいれるか・・・
この番組の究極のテーマ「ヒューマン 人間の本質はなにか」 今 地球の温暖化をはじめ、70
億の人口を持つ人類は数多くの切羽詰った課題を背負っている。
この課題を解決するには「人間の本質がなにか」を知らなければ
何一つ解決できない。
人類は難局に遭遇するたびに「心を進化」させ、この難局を乗り切ってきた。
「私たちの『心』の中には
壮大な人類の歴史が詰まっている」
この番組では4 回に分けて 人類の歴史の中で
激烈な環境変動の時々に人類が「心を進化」させ、この難局を乗り切ってきた事例を具体的に実証・蘇らせ、現代人にもこの心の進化が宿っていることを示してくれる。
谷川俊太郎の下記の詩で この番組・本の最終章で結んでいるのが
実に印象的でした。
私がなにを思ってきたか
それがいまの私をつくっている
あなたがなにを考えてきたか
それがいまのあなたそのもの
世界はみんなのこころで決まる
世界はみんなのこころで変わる
- 谷川俊太郎
「こころの色」より
この番組に沿って書かれた特別取材班「Human
ヒューマン なぜヒトは人間になれたか 」の各章小項目のタイトルを並べるだけでも
冷静にこの大きな人間の歴史全体を眺められ、大まかな内容の理解を助けると思えましたので、
インターネットに掲載された番組紹介概要と4 回・4 章にまとめられた番組・本の章タイトルならびに 本の中の小項目タイトルを抜きだし、その項目で記されている内容のキーワードを自分なりに付け加えました。 ご興味のある方は何といっても
本をお読みになることをお勧めします。
2012.3.20.
by Mutsu Nakanishi
. 先頭に戻る まとめPdf file listに戻る まとめ Pdf File by Mutsu Nakanishi ■NHK特集「ヒューマン なぜ人間になれたか」の4回シリーズ ■角川書店 NHKスペシャル取材班「Human ヒューマン」 より
先頭に戻る まとめPdf file listに戻る 先頭に戻る まとめPdf file listに戻る どうやってアフリカを出て、世界へ広がっていったのだろうか・・・・・ 今その歴史が解き明かされつつある。 私たちのDNAの中にもその歴史が刻まれている。 アフリカからはじまった 分かち合う心の進化 の旅 最初の心は仲間の絆を大切に思う「分かち合う心」 過酷な気候変動 最終氷期を経て 生き残った人達はアフリカを脱出し、新らたな心を育て世界へ広がってゆく 先頭に戻る まとめPdf file listに戻る |
home page top | 新着monthly page | 2012和鉄の道 | 2012風来坊 | 2012四季折々・from Kobe | 和鉄の道 file DOCK | 全ファイル収蔵庫 top |