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鉄のモニュメント

    14. 鉄のアーティスト 榎忠(1944-)の作品群
               兵庫県立美術館「榎忠展 − 美術館を野生化する-」より
2011.12.10.  1112art00.htm  by Mutsu Nakanish

11月23日 神戸の兵庫県立美術館「榎忠展」へ行きました。
榎忠という人を全く知らなかったのですが、兵庫県立美術館で「鉄で美術館を野生化する」とのキャッチフレーズに惹かれて・・・・。
「鉄のオブジェというとスクラップをつなぎ合わせたわけのわからんアートを作品と称するのだろうなぁ・・・・」と思いながら、出かけたのですが、あにはからんや、美術館の展示場一杯に繰り広げられる鉄のモニュメントにびっくり。 
「本当にモノづくり・鉄に愛着がある人や」と思える作品ばかりで・・
おもしろかったですよ。また、若い人が数多く詰めかけていて、うれしくなりました。おもしろかったですよ。
また、若い人が数多く詰めかけていて、うれしくなりました。


11月23日 榎忠展 兵庫県立美術館 会場で
.榎忠氏(1944-)を私はよく知らなかったのですが、案内のように紹介されていました。

榎忠氏(1944-)は神戸を拠点に活躍する芸術家で、型破りなパフォーマンスをはじめ、銃や大砲など現代社会における刺激的な題材を扱ったり、今日多量に生み出される金属の廃材に新しい生命を吹き込んだりと、ユニークな活動を行ってきました。
芸術と社会の境界に生きるアーティストといえます。本展は、回顧展も兼ねた、榎の最大規模の個展です。美術館の地はかつて製鉄所でした。その地霊に惹かれた榎は、鉄を初めとする金属の野生で美術館を満たします。
本物の薬莢、溶けた鉛、機械部品の山、変形・切断された鉄材などが展開される、超弩級の榎忠の世界をお楽しみ下さい。
オブジェ作品というより、大量の鉄を持ち込んで それぞれの場を演出するといった風の作品群ばかりで、銃を砂型鋳型で鋳込んで並べた作品など銃・薬莢の作品群もあったのですが、私の興味はモノづくりの現場で集めた大量の鉄材や旋盤 機械部品で作った作品群。
私の本業 サブマージ溶接で多層盛溶接された極厚鋼管のタブがきれいに清掃され2列に並べて作品が作られているのには 感動でした。久しぶりに見る溶接のモニュメントです。溶接タブがこんなに丁寧に扱われているとは・・・・・・でうれしくなりました。
 
厚板サブマージ多層盛り溶接タブを並べた作品   極厚ロールベンド溶接管 テストサンプル切出し後の作品

また、鉄のスラブの端部を並べたアイアン サークル・高炉湯道をほとばしった銑鉄そして この榎忠の代表作の一つ スピンドルを大量に並べてまるで城郭やビルが立ち並ぶ街のようにした機械部品モニュメント等々
作品群の写真撮影がOKの展覧会だったので、榎忠氏の意図が伝わるかどうかわかりませんが、いくつか作品群を展示会場とともにデジカメで撮ってきました。
スラブの端部を並べたアイアン サークル
高炉湯道をほとばしった銑鉄の初花
構造体継手試験後のサンプル
機械部品で構成されたモニャメント
旋盤と計測具
鋳込みで作られた銃モデル
鋳込み砂型
鉄を扱う作業場・溶接場 凄い鉄への愛着  光の当たらぬモノづくりをじっと見るまなざしにうれしくなりました。
「ようまあ こんなに大量の鉄を美術館に持ち込んだなあ・・・・」と製作者の意図は別にして、
鉄の好きな人 鉄の作業現場にいた人には嬉しい作品群ばかり。
鉄の現場を思い起こさせてくれるうれしい美術展でした。
この作品群 どれもこれもが 鉄の現場を思い起こさせてくれる鉄のモニュメントだと。
ちなみに 兵庫県立美術館は 元の神戸製鋼所脇浜の後に造られた美術館でした。
また、どの作品にも榎忠氏の作品名がついているのですが、作者の意図とは別に 私が勝手に写真の下にモノづくり来歴名を付けました。
お許しください。
            2011.11.24.  byMutsu Nakanishi
 
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1112art00.htm   2011.12.10作成  by Mutsu Nakanishi