岐阜県奥美濃 根尾谷の「淡墨桜」。
山梨県北杜市武川町「山高神代桜」
福島県三春町「滝桜」と共に日本三大桜のひとつ。
越前・美濃国境の濃郷白山から流れ出て、揖斐川に合流する根尾川が流れ下る根尾谷の奥に咲く樹齢1500余年の老巨樹。
数十本の支柱に身を委ねた老木ながら、大きく広げた枝には、ほのかなピンク色の花をつけ、薄いピンクから満開に近づくにつれ白色に変化し、そして散り際には薄墨色を帯びることから「淡墨桜」と呼ばれる。
かつて台風や大雪など幾多の危機に見舞われたが、そのつど多数の人々の努力と手厚い保護により不死鳥のごとくよみがえり、現代でも美しい花を咲かせ、人々を楽しませてくれている。 今年は是非その姿を見に行こうと。 実際にその姿を見たいと。
4月12日 朝日新聞の天声人語より
▽ 日本三大桜の一本、樹齢2千年とも言われる山梨県の神代桜を訪ねた。
周囲12メートルもある幹は、黒い巨岩を思わせる幹から清楚な花が乱れ咲く。
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瘤だらけで洞をなし節くれだっている。その貫禄は残雪の南アルプスに向かって、一歩も引かない。
▽ 桜の花は万人に愛でられるが、幹もまた捨てがたい。
「桜の画家」で知られる中島千波さんは、「花を描くというより幹を描く」といい、桜の表情は、
花よりも幹に真骨頂があるのだという。
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もう一つの三大桜である樹齢1500年という岐阜の淡墨桜を初めて見た中島さんはその幹に圧倒されたという。
「古代人がそこにいるように感じた」そうで以来歳月を重ねた一本桜の肖像画を描く気構えで桜に向かうという。
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▽ 群生の桜は「見に行く」だが、有名でも 無名でも一本桜には「会いに行く」というのがふさわしい。
4月12日 朝日新聞 「天声人語」より 抜書き整理 |
「淡墨桜」のある根尾谷は越前・美濃国境の濃郷白山からまっすぐ南へ流れ下る根尾川の流域。
根尾川は山を越えてひとつ西の谷筋を流れ下る揖斐川に大垣周辺で合流する。
また、交通アクセスは大垣から根尾谷の奥部 樽見まで、根尾川沿いの警告を樽見鉄道が伸びていて、約1時間で結ぶ。
そして、終着駅「樽見駅」の対岸 根尾川右岸の河岸段丘の上に、川を見下ろして1500余年 一本桜の巨樹「淡墨桜」があり、蕾のときは薄いピンク、満開に至っては白色、散りぎわには淡い墨色になるという。
この根尾谷の一番奥「濃郷」から濃郷白山を北に越えると越前大野。
また、この樽見鉄道の途中駅「谷汲口」からは、西国霊場33ケ所 満願札所の谷汲山華厳寺がすぐ近くで、多くの参拝客でにぎわう。 ここも桜の名所である。
この根尾谷の東側 長良川が流れ下る谷筋もまた、美濃と越前を結ぶ街道筋で、福井/美濃太田を結ぶ越美線が計画されたが、ついに国境越えはどちらも悲願ながら実現ならず。奥美濃の地形の厳しさがわかる。
今はようやく東海北陸連絡道が富山へ伸びて、北陸への高速アクセスが実現した。
大垣や揖斐川沿いへは仕事で何度も訪れた工場があり、大垣駅で何度も見ていた樽見鉄道なので土地勘はある。