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黒津周辺から東に連なる湖南アルプス 左 堂山 右 太神山
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帝産バスでJR
石山駅から田上「湖南アルプス登山口」へ |
高さは低いのですが、 近江の鉱物資源帯を形成した花崗岩質のやせ尾根が続く湖南アルプス。
その盟主太神山は麓から見ると 北に堂山 南に矢筈ケ岳・笹間ケ岳の荒々しい岩山を従え 天神川がまっすぐ流れ下ってくる。
その正面奥に三角錐の美しい峯を見せ、その頂上には巨岩の岩磐があり、
それにへばりつくように京都清水の舞台と同じ、舞台造りの本堂が建てられている不動寺がある。
「田上のお不動さん」とよばれ、
古くから信仰をあつめた不動寺がある信仰の山で、
麓からみるとそのピラミダルな姿は
神々しく見えたに違いない。
そして古代には鉱物資源を求めて数多くの人が
この山中に入ったに違いない。
天神川沿いには琵琶湖側田上の集落から頂上の不動寺
そして 山を越えて 古代
紫香楽宮跡から信楽へと
つづく参詣道があり、
今も東海自然歩道として整備された森につつまれた
ハイキングコースである。
(東海道自然歩道といっても
天神川沿いの迎え不動から太神山の尾根筋までの
山腹を登る道は傾斜のき つい山道である ) |
湖南アルプス登り口 天神川林道 2009.7.12.
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天神川沿いを詰めて 太神山の山腹をよじ登って尾根筋を頂上へ
きつい山腹をよじ登って尾根筋に出ると緑に包まれた森の中 頂上へと続く一本道。
途中には 大きな岩に刻まれたお不動さん(泣き不動)そして
また、その先には道脇に並べられた赤い涎掛けをつけたお地蔵さんが出迎えてくれる。
数多くの人たちがこんな山深い細い道を参詣に通ったのだろうか・・・・と思い始めた頃
立派な2体の石仏が見つめる不動寺 2尊門。 誰もいない森の中 2体の石像が見つめる間を道が通り抜けてゆく。
身がきっと引き締まる。
不動寺 二尊門 2009.7.12.
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不動寺境内の参道で
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不動寺境内
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そしてこんな山中に広い場所が・・・・と不動寺の境内にはいり、杉の巨木が林立する間を山頂への山腹に刻まれたくの字の急な石段を登ると突然 舞台づくりの太い柱に支えられた不動寺本堂が現れる。巨岩の壁にへばりついて、崖下に伸びる幾本もの柱に支えられて本堂が建つ。この巨岩が古代からの岩磐 信仰の対象。 湖南アルプスの盟主にふさわしい場所である。
この本堂・岩磐の巨岩の横を登りきり、少し行ったところが、太神山三角点。
すぐ近くにも巨岩があり、今は深い樹木で覆われ、展望も効きませんが、このあたりも岩山である。
太神山信仰の中心 頂上崖の巨岩の岩磐にへばり付いて建てられた舞台造りの不動寺本堂 2009.7.12.
木々に包まれた太神山からの眺望
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太神山頂上部 三角点
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標高は600mと低い山ですが、古代の重要拠点 近江・紫香楽にある信仰の山
そして 古代製鉄・鉱物資源帯の背後にそびえる古くからの信仰の山。
麓からながめるその姿や石仏が出迎えてくれる参詣道。そして頂上部の巨岩・岩磐や不動寺本堂とそれらを包み込む巨樹の森。
それら一つ一つがこの太神山が神々しい信仰の山であり、湖南アルプスの盟主であることを示していると。
でも 展望が望めないのはやはり残念。
麓から頂が見えることからして、古代には この頂から麓に広がる湖南の平野が見えたのかもしれない。