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        From Kobe  2009年12月  by  Mutsu Nakanishi 
       
             「和鉄の道・Iron Road 」 一年を振り返って  2009.12.3.
                                     0912kobe00.htm  2009.12.5. 
本年一年間 「和鉄の道・Iron Road」にお付き合いいただきましてありがとうございました。

本年1月 淡路島で「弥生時代後半 卑弥呼の時代の国内最大級の鍛冶工房村」が出土したとのビッグニュースが報じられ、邪馬台国・大和と堂つながるのか が大きな話題となりました。
播磨灘を見下ろす小高い尾根筋に幾つもの鍛冶工房が出土したのにはビックリで、胸わくわくで見に行きました。
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本年11月 大和纏向遺跡からは 卑弥呼の時代の宮殿跡と話題となった整然と立ち並ぶ建物群や水路跡が出土し、この卑弥呼・邪馬台国とこの鍛冶工房村がどんな風にかかわりあっていったのか 
興味深深で 今後の展開が楽しみ。

また、昨年末から本年はじめ、紀元前19世紀まで遡ることができるヒッタイトの人口鉄がヒッタイトの故地トルコ アナトリア高原で大村幸弘氏らの手で発掘されたこともビック゛ニュースでした。
 しかも この「鉄」が強靭性を有する「鋼」でヒッタイトの強力な力はこの「鋼」を持ったことによるのではないかと大村氏は分析する。
このヒッタイトが育んだ「鉄」がどんな経路でどのように東アジアの中国・朝鮮・そして 日本へ伝わってきたのか・・・・・・
そして他に類例のない砂鉄原料によるたたら製鉄が6世紀日本で始まるのですが、上記した古代東アジアでの鉄の伝播とどんな関係を持っているのかも興味深い。

中国を中心に東アジアの古代製鉄遺跡の発掘調査など古代東アジアから日本への製鉄技術の伝播についての新しい業績を挙げつつある愛媛大学教授村上恭通さんが「浜田青陵賞」を受賞されたのもうれしいトピックス。

村上恭通さんからは「東アジア 現在発掘調査を続けている中国四川をはじめ、北朝鮮や旧ソ連の内陸部など 製鉄遺跡が眠ったままの地域が多い。これらの地域の調査を通じて 日本のたたら製鉄の起源がもっと明らかに明らかになってくるだろう」と聞きました。

また Country walkで訪れた各地には製鉄遺跡とは別にその時代、時代 を支えた「鉄のモニュメント」が数多く残っている。
それらに寄せる思いは人それぞれ。
私にとっては本年 琵琶湖から流れ出た瀬田川が宇治川となって京都・滋賀県境の喜撰山に作られた発電所の地下に埋設されている水圧鉄管「喜撰山ダム」周辺を歩けたのが一番心に残っている。
 戦後を脱し 高度成長期 日本の重厚長大を支えた鋼構造物(発電所水圧鉄管・長大橋・超高層ビル・陸機・海上構造物等々)
 の素材となった溶接が容易に出来て強靭な強さを持つ鋼 「溶接用高張力厚鋼板」。 その先駆けが喜撰山の水圧鉄管。
 いつも 頭の隅にあった名前です。

まった 阪神淡路大震災の復興を願って神戸長田に建設されたアニメ原寸鋼鉄製の「鉄人28号」も震災とは別に高度成長期と重なる「鉄のモニュメント」として興味深い。

好きな縄文 「縄文の心を映すストーンサークル」 
「鉄が弥生の戦を持ち込んだのか??? 否 鉄が各地を開拓し、豊かな国づくりをなしとげたのでは??」
 そんな時代へも Country Walk 

今年は9年ぶりに「青森三内丸山縄文遺跡でのお月見」に出かけ、秋田鷹巣の伊勢堂岱の環状列石群の中に立つことが出来ました。

おもしろかった一年 引き続き 「鉄・たたら」をキーワードにCountry Walk を続けたいと思っています。

             2009.12.3.   「和鉄の道・Iron Road 」 一年を振り返って

                                 Mutsu  Nakanishi
 


             
    【 参考  pdf file 】  和鉄の道・Iron Road  2009  口絵
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0912kobe00.htm    2009.12.5.  by Mutsu Nakanishi