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【From Kobe 2009年4月】
             変わり行く故郷 「尼崎」 のこと  0904kobe00.htm 

    2009.4.5.  by Mutsu  Nakanishi

先月「尼ロック」を紹介しましたが、 地元の 仲間ばかりでなく 多くの方から 色々メールをいただいたり、
昔の話をきかせていただいたりで、ついぞ忘れてい たことなど昔の記憶をよみがえらせることが出来ました。
ありがとうございました。
1. 阪神電車 なんば線開通と甲子園リニューアル
3月20日 阪神電車 なんば線が開通して、  神戸三宮-大阪なんば-奈良が直通でつながりました。
大阪梅田へ向かう本線から尼崎で分岐して西九 条までの西大阪線をさらに東へ延伸して近鉄難波駅へ相互乗り入れ。神戸三宮発奈良行の直通運転が始まった。
すぐ「なんば」につながると言われつづけて 何年になるか・・・・。 
もう あきらめ気味だったのですが・・・・・
これも USJ・ユニバーサル ジャパンと甲子園球場の集客力のなせる業か・・・
 
その西宮甲子園球場もリニューアル 3月21 日から 選抜高校野球が始まりました。球場が大きすぎて 夜間照明が届きにくく、照明塔がニューと延びていた足が観客席にあって、観にくかったのですが、 今回 内野席を覆う大銀傘と共に まっすぐに改造。 
でも 甲子園のやわらかいカクテル光線はそのままに・・・・・。

阪神電車難波線の開通は庶民の町「尼」がますます変わってゆく象徴かもしれません。

うれしくて、阪神難波線開通前に発売された三宮―奈良間の1日フリーキップ 〔開通記念お試しフリーチケット〕が2万枚
を発売された翌日 三宮へ買いに行ったが、「そんなもん すぐに売り切れ。 2時間で全数なくなりまし た」と。
みんな 待ち望んでいました。
便利になって 町がきれいになっても 庶民的な「尼崎」のよさがなくならない ように・・・・・と願っています。
 

2.かつての鉄の街・尼崎の象徴 「尼崎の三本煙突」
     探していた写真  を送ってもらいました 
 
先日 友達から「三本煙突」の写真と共に「煙突はなくなっているが、工場 はすこぶる元気」とのメールを貰いました。
ちょっとあきらめ気味でしたが、尼崎「三本煙突」の写真が見られました。
上記写真の 中央手前に立 ち並ぶ三本の煙突がそれ。
かつて、阪神尼崎駅周辺から 南を望むとおおきな三本の煙突がそびえ立ち、すぐ横の五合線を南の工場街へ向かう人と自転車の群は幼き頃の記憶にある鉄の街・尼崎の象徴。 
現在は阪神電車が高架になり、南が遠望できるのですが、煙突 が消え、なんとも間の抜けた姿に・・・・・。  
もう 記憶が定かでありませんが、三本煙突の1本が折れ、それからまもなくすべて解体された。
仕事で通っていた頃にはあまりに身近で気にもなりませんでしたが、尼崎を離れ、阪神電車に乗ると知らず知らずにこの「三本煙突」を探していました。
うれしい限り。 私の写真ファイルにしっかり 納めました。
多くの人がD51の躍動感にひかれますが、堂々と立ち、白煙をもくもくとあげ る煙突の姿も格別。 
いつも元気がもらえました。
阪神間では 神戸三宮から阪神高速道路に乗り、東へ向かうと 高速道路の真正面に1本の赤白縞模様の大きな煙突が白煙をあげる場所があったのですが、この景色もなくなりました。 
時代の進歩とはいえ、さびしい限りです。
下記は 鉄の街 尼崎 工場街今昔の写真です。

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3. 宮本輝作 「流転の海 第五部 花の回廊」

    幼い頃の「尼崎」が描かれていました  「牛マメ」って知っていますか・・・

 
「好物のマメギモがでてくるよ。 あのマメギモが・・・・」と
 図書館で借りた宮本輝 流転の海 第五部「花の回廊」。
 第一部から順番に読んできた家内がいう。
「本当か・・・」と第5部「花の回廊」にとびついで拾い読みしてびっくり。

 戦後の尼崎の庶民を描いた「カモカのおっちゃん」田辺聖子のエッセイ集が有名なの
 ですが、戦後まもない頃の尼崎の庶民の生活それも「難波」の街のことが
 宮本輝流著「転の海 第五部 花の回廊」 に描かれていると教えてもらった。

 阪神尼崎駅の北を東西に阪神国道・国道2号線が通っていて
、尼崎駅から西側阪神国道より北側一帯を「難波」という。私の故郷です。

 小説の主人公の小学生の子供がその頃国道2号線を走っていた国道電車東難波電停前
 蘭月ビルの安アパートの一家に預けられ、難波小学校に通いつつ、
 この小学生を通して当時の庶民の生活がリアルに描かれている。
 

この小説の中で 牛の腎臓「牛マメ」が庶民の生活の象徴として「マメの会(牛マメを食べる会)」と称して
住人達と食べる会が何度となく出てきます。ついぞ 忘れていたのですが・・・
 
  私の記憶では この牛の腎臓をスライスしたものを「マメギモ」と呼び、
  中心部に脂肪が集まっていて、ショウガ醤油に漬けて焼くと実にうまい私の好物。
  でも、京都人の家内はこの得体の知れない食べ物に当初びっくりしたという。
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蘭月ビルは東難波電停前にあった映画館香月ビル 難波小学校は私の母校。
描かれる戦後間もない庶民の窮乏生活 私自身が体験したそのものではありませんが、
同じ地域で見て来た生活空間があまりにもリアルに描かれているのにびっくりしました。
当時は尼崎だけでなく、どこの街でもこんな風な生活空間だったと私は思うのですが・
生活を共にした同窓の仲間以外に話しても まったく通じなかった生活空間だろうなぁ
・・・・・・・・と。
「マメぎも」などといった名前ももう遠く記憶から消えていましたが、
本当に自分の 幼い頃の生活体験を思い起こしながら、一気に読みました。
牛の腎臓のスライス例 
「まめぎも」

この「マメぎも」には 大学に入って 独り下宿した大学時代にも思い出がある。
なんと大学の生協食堂でこの「牛マメ」のソティ定食みつけ、食べるのを当初 仲間たちが不思議がってみていました。

昔を懐かしがってばかりではいけないのですが、何か無くしてしまったものを見つけたような気になりました。
家内とふたり ひとしきり この小説の「尼崎」「まめぎも」を話題に二人でかつての尼崎同窓会。
今 この神戸出身の作家の作品が世代を超えて人気だと聞きましたが、私には幼い頃の尼崎での生活空間をリアルに
思い起こさせてくれた作品でした。
また、戦後の仲間の生活の中に こんな場面もあったのか・・・・と 
幼い頃のいろんな仲間が頭に浮かんできました。
幼い頃の体験など、なんぼ言葉をつくしても 
その場で一緒に生活したことのない人には理解されないと思っていますが、
むあまりのリアルさと懐かしさにびっくり・・・・・・・。
同窓会世代の方々にとって 遠い幼い頃の生活の記憶を思い起こすにはいいかも・・・・。
ご興味あればお勧めです。
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                                     2009年 4月 Mutsu  Nakanishi


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