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愛媛大学 東アジア古代鉄文化センターシンポジューム
「中国西南地域の鉄から古代東アジアの歴史を探る 鉄の起源を求めて」に参加して

2. 日本のたたら製鉄の源流を考える

ヒッタイト・ツタンカーメンの鉄そして四川をつなぐ西南シルクロードがたたらの源流???

2008.2.5. 0802road.htm  by Mutsu Nakanishi

愛媛大学で「中国西南地域の鉄から古代東アジアの歴史を探る」シンポ  2007.10.27. 愛媛大学で

「中国における鉄の起源と波及」と題して 
西からの鉄の伝播に中国西南地域・四川の重要性を報告される村上恭通教授


日本のたたら製鉄の源流を考える
ヒッタイト・ツタンカーメンの鉄そして四川をつなぐ西南シルクロードがたたらの源流???
中国四川省の古代製鉄遺跡の合同発掘調査をすすめている愛媛大学 村上恭通教授らの
「愛媛大学 東アジア古代鉄文化センター」の合同発掘調査報告を兼ねたシンポジューム
「中国西南地域の鉄から古代東アジアの歴史を探る 鉄の起源を求めて」が
2007年10月27日愛媛大学で開催された。
 fileはpdf fileです。 ファイルを開くか、保存してご覧ください
1.
2.
東アジアへの製鉄技術の伝播 年表調査 まとめ 日本のたたら製鉄のルーツを求めて
3.
愛媛大古代東アジア研究所・中国合同調査報告
四川省 成都平原で発掘された古代の製鉄遺跡
.
愛媛大学 東アジア古代鉄文化センターシンポジューム 参加 聴取概要 2007.10.27
4
和鉄の道  たたら製鉄の源流を考える
.
愛媛大学で「中国西南地域の鉄から古代東アジアの歴史を探る」シンポに参加して
ヒッタイト・ツタンカーメンの鉄 そして四川をつなぐ西南シルクロード
その塊錬鉄がたたらの源流 ???


 
約2800年前 西アジアの端で、ヒッタイトにより作られた
人工鉄器「鉄」には「金」よりも貴重であった時代があった。
この方法は 現代の製鉄法につながる鉄鉱石を溶かして還元反
応で銑鉄をつくり、それを再度溶融脱炭して強靭な「鋼」を作
る溶融銑鉄法(間接製鉄法)ではなく、鉱石を比較的低温で半溶
融還元して固体のまま海綿状の鉄を取り出し、不純物を鍛錬で
叩き出す塊錬鉄法で作られた鉄である。
.
「エジプトのツタンカーメンの鉄」そして「中国西南部長江流
域を中心に偏在する金柄や青銅柄に装着された鉄剣」などの
「金」よりも貴重であった伝播初期の「鉄」である。


日本に鉄器が伝わってから 製鉄技術習得まで約800年。
その製鉄技術が、「金」よりも貴重であった伝播初期の「鉄」
塊錬鉄の製鉄技術で、約1500年を経て、日本伝わってきた
「日本のたたら製鉄の源流」。 
この製鉄法は 東アジアの製鉄技術の先進地 古代 中国で早
くに消え去っており、日本独自の製鉄技術といわれる所以であ
る。びっくりしました。 

20071027yo3-2.JPG
エジプト ツタンカーメン
金柄短剣にに使われた塊錬鉄
中国西南地域での
青銅柄・金柄鉄剣に使われた塊錬鉄
成都高原 古石山で発掘された
漢代の巨大製鉄炉
古代 の 製鉄法
塊錬鉄 製鉄法 (直接製鉄法)


鉄鉱石・砂鉄などを比較的低い温度で加熱。
溶かさずに半溶融状態のまま還元して 海綿状の鉄や鉄塊を得る。
ここの塊を再度加熱精錬・鍛造。不純物を搾り出すとともに
炭素量も調整して、強靭な鋼を得る。この鉄素材を塊錬鉄という。
たたら」製鉄・ヒッタイトの初期製鉄法もこれである

溶融銑鉄 製鉄法 (間接製鉄法)
鉄鉱石を高温に加熱して、鉱石を溶融しながら還元して鉄を得る。
この時 高温のため、鉄は大量の炭素を吸って、脆い銑鉄となる。
この銑鉄を再度加熱溶融して、銑鉄中の炭素を燃やして
炭素調整して強靭な鋼を得る
現代の製鉄法 ならびに 中国では古代からこの方法が発展した

「たたら製鉄のルーツ」
「なぜ 鉄器伝来後約800年もかかって、日本で、たたら製鉄が編み出さねばならなかったのか」 
.
どうしても見えてこない謎 
それが 東アジア全体で見れば 見えてくる。そんなように思えて、食い入るようにシンポを聞きました。
.
また、 中国への鉄の伝播経路は 従来 考えられてきた
 北のシルクロード・黄河流域・中原・華北地方へのルートとともに 
 西南ルート インド・ミャンマー・雲南・四川・長江流域の西南シルクロードを考える必要があり、
この二つのルートの交差点・交流点に四川盆地があるという。
.
この西南シルクロードは「稲の道」と考えられて来たルートで、
鉄は北のシルクロードよりもむしろこの道が古く、四川盆地の製鉄遺跡を調査することで、
東アジア全体の鉄の伝播経路が見えてくる。
この四川盆地 成都高原は「古蜀」の国 実証は今までされず、見向きもされなかったが、
史記など中国の書に記された大古代製鉄地帯の地。
これらの史実につながる漢代の製鉄遺跡を幾つか発見し、大型製鉄炉もそっくり発掘され、
史実が実証されつつあると村上教授は話される。
もう 興味深深 びっくりしつつ 話を聞いて帰りました。
  
本年1月10日 朝日新聞に この村上教授らの四川盆地成都平原での日中合同発掘調査について まとめ評価した記事が出されましたので、レビーとして その記事を始めに置き、聞いた話をベースに古代中国の製鉄技術の伝播の状況や、シンポジュームで報告のあった成都平原の日中共同の発掘調査の報告などを取りまとめました。
また、NHKでお聞きした長江文明を中心とした西南シルクロードなどの概略についても取りまとめました。
日本・中国の古代製鉄技術伝播の歴史 概要
愛媛大学の成都平原での
日中合同製鉄遺跡発掘
2008.10.10. 朝日新聞
日本のたたら製鉄 古代の歴史
古代中国の製鉄技術の歴史
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参考資料
 
1.愛媛大学 国際シンポジューム「鉄の起源を求めて」資料
 「中国西南地域から古代東アジアの歴史を考える」  2007.10.27.
2.村上恭通著「倭人と鉄の考古学」
3.第5回歴博シンポジュウム資料「古代東アジアにおける倭と伽耶との交流」
4.インターネット
  1.愛媛大学 東アジア 古代鉄センター ホームページ
    http://www.ccr.ehime-u.ac.jp/aic/index.html        
  2. インターネット 「鉄・古代・中国・起源 」google検索 などより
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