【和鉄の道・ Iron Road 2012 】
鉄が海を豊かにする - 鉄鋼スラグ 海に栄養 コンブ復活 効果てきめん- 
                                                                                             2011.5.21. 朝日新聞 朝刊より
 
5月21日朝日新聞の朝刊に「鉄鋼スラグが海に栄養を与える」との記事が掲載された。
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鉄鋼スラグを固めて漁礁などにして使うと、海藻が育たなくなる「磯やけ」を直す
効果などが注目されている。
その効果はまだ解明されたわけではないが、
磯やけ現象は海を取り巻く環境変化による海水中の鉄分濃度の 低減が原因といわれ、
鉄鋼スラグに含まれる鉄分が溶け出し、鉄分濃度改善の有効な作用をするという。
磯やけで困っていた沿岸にコンブなどの回想が戻り、豊かな海を取り戻しつつあるという。

以前 岩波の科学ライブラリー「鉄学 137億年の宇宙誌」を読んでご紹介した

地球は鉄の惑星 http://www.infokkkna.com/ironroad/dock/iron/10iron05.pdf
 地球に鉄がなかったら 現在の地球環境も生命体も存在しえず 
                   の歴史も生まれなかった」の記事 
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この本には「地球は鉄の惑星 鉄が地球137億年の環境変化に深くかかわって、
酸素をつくり、地球上の生命体維持のシステムに深くかかわってきた歴史の数々。
そして 今も地球環境に鉄がかかわっている。」と記載されていた。

「地球は鉄の惑星 大量の酸素を生んだのも 地球上の生命体がその維持をはかる「酸素/炭酸ガス」の授受を図れるのも、
また、強烈な宇宙線から身を守れるのもすべて 地球に大量に存在する鉄のおかげ。
鉄がこの地球環境を作り、これからも 地球環境改善にこの鉄の働きを利用しない手はない 」という。

半信半疑で読んだ地球規模の環境を変える「鉄」地球温暖化を食い止める救世主「鉄」の話。
そんな地球上にある鉄がもたらす環境改善アプローチの実証例のひとつが今回の記事として記載されている。
うれしくなっての新聞記事ご紹介です。
 
 当初 岩波の科学ライブラリー「鉄学 137億年の宇宙誌」を読んだときには、
「こんなに鉄にこだわってよいのだろうか ???」 
「海に鉄粉ばらまけば、地球温暖化が解決出るなんて ???」 と思っていたのですが、
今回の新聞記事が記すごとく 言葉で知っていた「陸の森が海を育てる」とか 磯やけ改善に鉄が大きな効果を発するなど
「鉄分濃度の増加が海の環境が改善する」という一番大事なところでの実証事例がこんなにごく身近で出始めているのです。

半信半疑 絵空事のように感じていた「鉄分の地球環境改善の役割」ですが、

今回読んだ朝日新聞の記事はまさに その実証例。
鉄鋼業は素材産業としての地位は揺るがないにしても、地球環境を汚染する元凶と後ろめたさを感じていたのですが、
「鉄」をベースにした環境改善取組が地球を救うとの信憑性 そしてその実現性を強く感じる記事でした。

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                                    2012.5.21.夕  Mutsu Nakanishi



下記は以前「鉄学 137億年の宇宙誌」に書かれていた内容を紹介した記事。


【参考】 和鉄の道 2010年3月 「地球誕生から約46億年鉄の歴史と役割にびっくり」
            岩波の科学ライブラリー「鉄学 137億年の宇宙誌」を読んで  
          「地球に鉄がなかったら 現在の地球環境も 生命体も存在しえず 人の歴史も生まれなかった」


1206iron00.htm   2012.5.21.   by Mutsu Nakanishi