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 平安遷都1300年祭で賑わう奈良 Walk    大遣唐使展・若草山・平城宮大極殿 

1. 平安遷都1300年記念大遣唐使展

             奈良国立博物館「大遣唐使展」とボストン美術館所蔵「吉備真備絵巻」に描かれていた遣唐使船  2010.6.11.
7世紀から9世紀 古代日本の国づくりと密接に関連した遣唐使。遣唐使を通じて 古代の日本・朝鮮・中国関係史が見えてくる。
ひそかに ライフワーク「鉄の歴史」にも 大きな影響を与えたに違いない遣唐使と期待もして・・・・・。
この時代のレビューも含めて、非常によくまとまった図説「大遣唐使展」が出ていますので内容は省略しますが、
断片的だった時代の流れが理解できて楽しい展覧会。イヤホンを耳につけ解説を聞き漏らすまいと全部見た展覧会でした。
● ボストン美術館所蔵「吉備真備絵巻」

遣唐使船の絵というといつもこの絵巻が出される有名な絵巻。 
其の程度の知識しかありませんでしたが、漫画チックでこんなに面白いのか・・・と。 
遣唐使吉備真備が在唐中に幽閉され、鬼(幽霊)となった安倍仲麻呂に導かれて、
皇帝による『文選』や囲碁による無理難題を解いて、遂に帰国を達成するという歴史上の人物の業績伝。 
その業績伝に、鬼が出てきたり、空を飛ぶ吉備真備が描かれていたり、
囲碁の勝負で相手の碁石を飲み込んだ真備の「糞」を取り囲んで眺める唐の官吏が描かれたりなのである。
      ボストン美術館所蔵「吉備真備絵巻」に描かれた一シーン  大遣唐使展 ハイビジョン映像展示より
       大遣唐使展 ハイビジョン映像展示   2010.6.11.
鬼を操り・空を飛ぶ“魔法使い”。持ち帰った文物や帰国後の業績等から、真備は中国語はもちろん儒教や律令制度、天文学、軍事学、音楽まで幅広くマスターしていたと考えられる。最先端の知識とそれらを駆使する合理的思考が、当時の日本の人々にとってあたかも“魔法使い”のように見えたのかもしれない。」 
NHK 歴史秘話ヒストリア 奈良の魔法使い 〜日本を救った遣唐使・吉備真備(きびのまきび)〜 より
http://www.nhk.or.jp/historia/backnumber/46.html

絵巻の中で、鉢が飛ぶ「信貴山」縁起絵巻(平安時代末期12世紀)が一番面白いと思ってきましたが、同じ平安時代末 12世紀に作られたこの「吉備真備絵巻」に描かれた説話も実に面白い絵巻でした。
絵巻の物語が絵巻の解説と共に大きなビジョンに再現され見られたのもgooで、映像展示を見て 再度絵巻を見に戻りました。



● 7世紀 官営の生産工房 飛鳥池遺跡
この7世紀には 数々の生産技術が日本に伝わり、日本の国造りに必要な数々の物資を供給する官営生産工房が営まれた。 鉄生産についても、朝鮮半島に頼っていた鉄素材の輸入オンリーから脱し、官営の鍛冶工房・製鉄工房が設置され、国内での本格的な実用鉄生産が展開されてゆく。 
遣唐使と伝来した生産技術の関係を知ることができるかもしれないと思っていましたが、7世紀の官営生産工房飛鳥池遺跡が代表として展示されていました。
飛鳥池遺跡では金銀・胴・鉄の工房 鋳銭工房 玉作工房 漆器工房など多岐にわたる工房が操業していたことが確認されている。

特に日本で最初に作られた富本銭 ならびに水晶・ガラス・琥珀・メノウなどの玉作り そして当時最先端の鉛ガラスが作られ、これらの工具に鉄が数多く使われた。 
写真では何度か見たことがあるのですが、初めて実物の「玉」を見ました。

飛鳥池は今 池を埋め立て 其の上に「奈良県立万葉文化館」が建っている。そして その建物の下になる地面の一部が鍛冶工房跡としてセメントで固めて鍛冶炉跡が展示されている。初めて訪れた時には 本当にびっくりで
「なんで、こんな重要な遺跡の上にこんな建物を建てなあかんねん。学者も含め、奈良は万葉しかないのか??」と腹が立ちましたが・・・
今回「大遣唐使展」できっちりした古代中国との交流史の中にこの飛鳥池遺跡の金属加工・玉加工の生産工房がきっちり位置づけられていました。さすが 奈良国立博物館と。

若草山山頂から見た奈良の市街地  2010.6.11.
大遣唐使展 高精密ディジタル画像展示「吉備真備絵巻」展示  2010.6.11.
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1007narawalk00.htm   2010.7.5.   by Mutsu Nakanishi