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「岩波の科学ライブラリー「鉄学 137億年の宇宙誌」より
「あんたの話は 何でも 鉄やなぁ・・・」とよく言われる。 「 鉄をキーワードに 有史以来現代に至るまで歴史を眺めたり、 また、人に話しかければ、先が見えてくるように思う。そして、すばらしい日本の風景も眺めたい・・・・・・ 」 というのが、ふらっと出かける私の「風来坊」Country Walkの唯一の歩き方。 そんな折、友人から「岩波の科学ライブラリー「鉄学 137億年の宇宙誌」小さな解説本ながら実に面白い。お勧め。」 とメールをもらって、宇宙物理の本は難解であまり理解できず、好きではないのですが、「 鉄学 137億年の宇宙誌 」の名前に惹かれて読みました。 東大総合研究博物館で昨年開催された「鉄学 137億年の宇宙誌」展の企画内容をまとめた本のようですが、知らなかった「鉄の力」にびっくり。 鉄の不思議に触れるお勧めの一冊です。 地球の誕生は約45億年前に誕生した大気・水・大地がある惑星。 また、同時に鉄を多く含む 鉄の惑星でもあった。 この鉄の存在が 地球環境 そして 生命体の維持をもたらし、人間を誕生させた。 太陽系のほかの星に比べて 地球の大気は二酸化炭素が非常に少なく 酸素が多いのはなぜか?? これも鉄による 137億年の鉄学 鉄学年表 岩波の科学ライブラリー「鉄学 137億年の宇宙誌」より 採取 本を開くとその冒頭に 次の言葉が書かれている。 私たちは鉄がなければ生きてゆけません.この単純なしかし重要な結論を私たちは生物学のみならず,地球科学,環境科学,考古学,物理学,化学,天文学など幅広い研究分野から「鉄」を概観することで導き出しました. この結論をふまえた上で,鉄を通じた新しい宇宙誌や地球誌,生命誌,人類誌を提示しようとする試みである 「ちょっと 大げさすぎるのでは・・・・」と思いながら、読み始めたのですが 読み進めるうちに「地命体も存在しえず 人の歴史も生まれなかった」と。 ちょっとそのさわりです。 ● 地球の生命体がその維持を計る「酸素/炭酸ガス」の授受が容易にできるのは鉄原子がその環境に応じて、水に溶ける形に変り、その授受にかかわれる(水に溶ける2価の鉄と溶けない3価の鉄) この仕掛けが血液内の鉄 ヘモグロビン・植物の光合成にもある ● 地球生命体が地表面で快適に生活できるのは,鉄が大量に地球に存在しているからで、宇宙からの有害な放射線が地表面に危険なレベルで届かないのは,磁場のお陰. そして、この磁場は,地球内部に存在している鉄の一部が溶融し,電流が流れているため.つまり地球内部の大量の鉄が,地球表層を生命にとって安全な環境へと変えた. そのおかげで生命体が地表付近で活動できるようになり こうした生物による光合成が地球表層環境を著しく変化させた.大気の分子状の酸素量を増大させるなど その生命体活動が地球に残した化石が現代の鉄鉱床 縞状鉄鉱床である。 知らなかった 鉄と地球環境や鉄や人間を含む生命体との関係等々 ほとんど知らなかった宇宙・地球における鉄の役割 それが誇張でないことにびっくりでした。 「鉄は産業の米 鉄が文化を運び 歴史を作った」というのも小さく見えてくるほど 大きな「鉄の力」。 「宇宙物理など自分には解からん」 と避けていた分野ですが、 それが 地球の歴史・人間の歴史を解き明かす。 本当にびっくり。お勧めです。 東大総合連休博物館 home page 「鉄学 137億年の宇宙誌」展のページに 本書が解かりやすく解説した「かけがえのない鉄」についてのまとめが掲載されていましたので、 内容の参考になればと転記掲載しました ■東大総合研究博物館 home page 「鉄学137億年の宇宙誌」展 http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2009Fe.html ■ 参考1 岩波の科学ライブラリー 「鉄学 137億年の宇宙誌」より 東大総合研究博物館 home page 「鉄学137億年の宇宙誌」展 http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2009Fe.html ● 生命による環境変動が鉄鉱床を形成 ストロマトライト.シアノバクテリアなどの光合成に伴う分泌物が形成した縞状組織に特徴づけられる炭酸塩岩 約25億年前に光のエネルギーを使って光合成を行うシアノバクテリアが誕生。その光合成に伴う分泌物が形成した縞状組織に特徴づけられる炭酸塩岩.縞状鉄鉱鉱床を形成した大規模な環境変動をもたらした酸素の発生源であると考えられている。 (シアノバクテリアが発生させた大量の分子状酸素は海水中の鉄イオンと反応して海水中の2価の鉄が溶けない3価の鉄になり沈殿し、大量の鉄鉱床が海底に形成された。 なお、原始地球の原始大気、あるいは原始海洋の中で約40億年前頃生命が誕生したといわれている。) ● 海に溶け込む鉄の量が生命活動を制約する 海に溶け込んだ鉄の量は極端に少ないが、わずかしか存在しない鉄の量が海の生命活動制約する。 灰色に色づけられた植物プランクトンの生物量が低く保たれている海域をHNLC海域といい、鉄が不足しているためにできた海域だと結論付けられた。陸上の鉄が大気ダストを含め、海と生命につながっている。 また、このことから 海洋に鉄を散布し、植物プランクトンを増加させ地球温暖化対策にしようとする動きもある。 灰色部 植物プランクトンの生物量が低く保たれている海域 HNLC海域 ● 鉄が気候を変える 地軸の傾きのふらつき等が地球の氷期と間氷期のサイクルを生むと言われるが、このサイクルの中で氷期がはじまると乾燥大地の鉄が大気地ダストとして海に運ばれ、海の植物プランクトンを増加させ、大気中の炭酸ガス濃度を下げ、益々温度を低下させるというモデルが検討されている。 ■東大総合研究博物館 home page「鉄学137億年の宇宙誌」展より http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2009Fe.html ■ 参考2 地球陸域 二酸化炭素濃度マップ例 2009.6〜7月 夏 植物の光合成の盛んな北半球の高緯度側の二酸化酸素濃度が南半球より低い。 また、アフリカアフリカ大陸やアラビア半島に見られる高濃度には砂漠の砂塵などの影響。 アフリカ、スカンジナビア、アマゾン周辺の低濃度には薄い雲などの影響により、統的な誤差が含まれている可能性もあります。 http://gosat.nees.go.jp より 先頭に戻る
「あんたの話は 何でも 鉄やなぁ・・・」とよく言われる。 「 鉄をキーワードに 有史以来現代に至るまで歴史を眺めたり、 また、人に話しかければ、先が見えてくるように思う。そして、すばらしい日本の風景も眺めたい・・・・・・ 」 というのが、ふらっと出かける私の「風来坊」Country Walkの唯一の歩き方。
そんな折、友人から「岩波の科学ライブラリー「鉄学 137億年の宇宙誌」小さな解説本ながら実に面白い。お勧め。」 とメールをもらって、宇宙物理の本は難解であまり理解できず、好きではないのですが、「 鉄学 137億年の宇宙誌 」の名前に惹かれて読みました。 東大総合研究博物館で昨年開催された「鉄学 137億年の宇宙誌」展の企画内容をまとめた本のようですが、知らなかった「鉄の力」にびっくり。 鉄の不思議に触れるお勧めの一冊です。
地球の誕生は約45億年前に誕生した大気・水・大地がある惑星。 また、同時に鉄を多く含む 鉄の惑星でもあった。 この鉄の存在が 地球環境 そして 生命体の維持をもたらし、人間を誕生させた。 太陽系のほかの星に比べて 地球の大気は二酸化炭素が非常に少なく 酸素が多いのはなぜか?? これも鉄による 137億年の鉄学 鉄学年表 岩波の科学ライブラリー「鉄学 137億年の宇宙誌」より 採取 本を開くとその冒頭に 次の言葉が書かれている。 私たちは鉄がなければ生きてゆけません.この単純なしかし重要な結論を私たちは生物学のみならず,地球科学,環境科学,考古学,物理学,化学,天文学など幅広い研究分野から「鉄」を概観することで導き出しました. この結論をふまえた上で,鉄を通じた新しい宇宙誌や地球誌,生命誌,人類誌を提示しようとする試みである 「ちょっと 大げさすぎるのでは・・・・」と思いながら、読み始めたのですが 読み進めるうちに「地命体も存在しえず 人の歴史も生まれなかった」と。 ちょっとそのさわりです。 ● 地球の生命体がその維持を計る「酸素/炭酸ガス」の授受が容易にできるのは鉄原子がその環境に応じて、水に溶ける形に変り、その授受にかかわれる(水に溶ける2価の鉄と溶けない3価の鉄) この仕掛けが血液内の鉄 ヘモグロビン・植物の光合成にもある ● 地球生命体が地表面で快適に生活できるのは,鉄が大量に地球に存在しているからで、宇宙からの有害な放射線が地表面に危険なレベルで届かないのは,磁場のお陰. そして、この磁場は,地球内部に存在している鉄の一部が溶融し,電流が流れているため.つまり地球内部の大量の鉄が,地球表層を生命にとって安全な環境へと変えた. そのおかげで生命体が地表付近で活動できるようになり こうした生物による光合成が地球表層環境を著しく変化させた.大気の分子状の酸素量を増大させるなど その生命体活動が地球に残した化石が現代の鉄鉱床 縞状鉄鉱床である。 知らなかった 鉄と地球環境や鉄や人間を含む生命体との関係等々 ほとんど知らなかった宇宙・地球における鉄の役割 それが誇張でないことにびっくりでした。 「鉄は産業の米 鉄が文化を運び 歴史を作った」というのも小さく見えてくるほど 大きな「鉄の力」。 「宇宙物理など自分には解からん」 と避けていた分野ですが、 それが 地球の歴史・人間の歴史を解き明かす。 本当にびっくり。お勧めです。 東大総合連休博物館 home page 「鉄学 137億年の宇宙誌」展のページに 本書が解かりやすく解説した「かけがえのない鉄」についてのまとめが掲載されていましたので、 内容の参考になればと転記掲載しました ■東大総合研究博物館 home page 「鉄学137億年の宇宙誌」展 http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2009Fe.html ■ 参考1 岩波の科学ライブラリー 「鉄学 137億年の宇宙誌」より 東大総合研究博物館 home page 「鉄学137億年の宇宙誌」展 http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2009Fe.html ● 生命による環境変動が鉄鉱床を形成 ストロマトライト.シアノバクテリアなどの光合成に伴う分泌物が形成した縞状組織に特徴づけられる炭酸塩岩 約25億年前に光のエネルギーを使って光合成を行うシアノバクテリアが誕生。その光合成に伴う分泌物が形成した縞状組織に特徴づけられる炭酸塩岩.縞状鉄鉱鉱床を形成した大規模な環境変動をもたらした酸素の発生源であると考えられている。 (シアノバクテリアが発生させた大量の分子状酸素は海水中の鉄イオンと反応して海水中の2価の鉄が溶けない3価の鉄になり沈殿し、大量の鉄鉱床が海底に形成された。 なお、原始地球の原始大気、あるいは原始海洋の中で約40億年前頃生命が誕生したといわれている。) ● 海に溶け込む鉄の量が生命活動を制約する 海に溶け込んだ鉄の量は極端に少ないが、わずかしか存在しない鉄の量が海の生命活動制約する。 灰色に色づけられた植物プランクトンの生物量が低く保たれている海域をHNLC海域といい、鉄が不足しているためにできた海域だと結論付けられた。陸上の鉄が大気ダストを含め、海と生命につながっている。 また、このことから 海洋に鉄を散布し、植物プランクトンを増加させ地球温暖化対策にしようとする動きもある。 灰色部 植物プランクトンの生物量が低く保たれている海域 HNLC海域 ● 鉄が気候を変える 地軸の傾きのふらつき等が地球の氷期と間氷期のサイクルを生むと言われるが、このサイクルの中で氷期がはじまると乾燥大地の鉄が大気地ダストとして海に運ばれ、海の植物プランクトンを増加させ、大気中の炭酸ガス濃度を下げ、益々温度を低下させるというモデルが検討されている。 ■東大総合研究博物館 home page「鉄学137億年の宇宙誌」展より http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2009Fe.html ■ 参考2 地球陸域 二酸化炭素濃度マップ例 2009.6〜7月 夏 植物の光合成の盛んな北半球の高緯度側の二酸化酸素濃度が南半球より低い。 また、アフリカアフリカ大陸やアラビア半島に見られる高濃度には砂漠の砂塵などの影響。 アフリカ、スカンジナビア、アマゾン周辺の低濃度には薄い雲などの影響により、統的な誤差が含まれている可能性もあります。 http://gosat.nees.go.jp より 先頭に戻る
夏 植物の光合成の盛んな北半球の高緯度側の二酸化酸素濃度が南半球より低い。 また、アフリカアフリカ大陸やアラビア半島に見られる高濃度には砂漠の砂塵などの影響。 アフリカ、スカンジナビア、アマゾン周辺の低濃度には薄い雲などの影響により、統的な誤差が含まれている可能性もあります。 http://gosat.nees.go.jp より
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