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「鬼の唸り・鳴釜」の再現を試しました

 意外にも澄んだ響き、イメージが次々と広がってゆきす

1003narukama00.htm  2010.2.10. by Mutsu Nakanishi

真金吹く吉備 総社平野の北側 壁のように連なる鬼城山の「鬼ノ城」と吉備中山「吉備津神社」


吉備の中山 吉備津神社 「鳴釜」神事
想像していたよりも大きな澄んだ不思議な音の響きで、
毎回その音の鳴り方が違い、それで吉凶を占うと聞きました。
 
      〔吉備「鳴釜」の由来〕
「吉備津神社の御釜殿の下には 祭神吉備津彦に退治された
「鬼・温羅」の首が埋められ、13年間も唸り続ける。
 そしてある夜 吉備津彦命の夢に温羅が現れ、
「わが妻・阿曽媛にお釜殿の火を炊かせば、釜を唸らせて
 この釜で世の吉凶を占おう」といったので、
お告げの通りにすると、唸り声も治まり平和が訪れた。」
との温羅・鳴釜伝承が伝えられている。

  ■ 桃太郎説話の元となった「温羅」伝説

  ■  古代の大製鉄地帯 桃太郎伝説の吉備路walk
       鬼ノ城を訪ねる 2010.1.15.

この「鳴釜伝承」に由来する「鳴釜神事」が現在も行われている。
そして 本当に「鬼が唸る」 そんな音が湯気を立ち昇らせるお釜
から突然聞こえ出すのです。
 

煮えたぎるお湯が入った釜の上に「すのこ」を敷いた蒸篭を載せ、
神主さんの祝詞に合わせ、「玄米」を蒸篭に撒き入れると、
「唸り」が始まり、少しして勝手に止まるという。
この「鳴釜」の「鬼の唸り」再現を試しました   

〔「鬼の唸り・鳴釜」モデルでの「唸り」の再現〕

吉備津神社 御釜殿 「鳴釜」 
〔 動画スタートまで 約60秒 おまちください 〔1.8MB WMV file】   〕

鳴釜再現モデル 
拡 大
動画がスタートしない時はここをclickしてください 
   【 モデル釜 唸りsound 〔6.8MB WAV file】 【 モデル釜 「唸り」の再現動画 〔4.0MB WMV file】
こんな簡単な円筒構造の底でお湯を沸騰させて、白米を注ぐだけで、本当にあんな大きな音がでるやろか・・・と半信半疑。加熱はガスコンロ 組み立てた円筒をガスコンロにかけ、ポットのお湯をコップ1/2程度注ぎいれるとまもなく盛んに沸騰蒸気が上の口から出てくる。「お米」をサーと上の口から入れると「ポォ〜ポォ〜」と大きな音が出た。

ちょっと吉備津神社で聞いた音よりも高いが、済んだ「鬼の唸り」である。15秒ほど鳴って す〜うと音がきえました。そして、ガスの火を切ると ちょっと間を置いて また 「ポォ〜ポォ〜」と大きな音が出て 消えていきました。

「これ 薄暗いところでやったら 本当におどろくやろなぁ」と。
「何も予期せず、吉凶占ったげると言われ、急に「唸り声」 やっぱり 仰天しただろう」
モデル釜内部
金網を張ったAl 円筒
お湯を入れる
量は下の缶半分程度
お湯の加熱沸騰
盛んに蒸気を噴出
白米を内部金網へ 「唸り」音が響き
しばらくして止む
火を切る
再度「唸り」音
 しばらくして止む


インターネットを調べると小中学校の理科教材から高校生・大学の再現実験・メカニズムの検証まで多くの人がこの「鳴釜」に取り組んでいました。
科学技術はやっぱり「不思議やなぁ」「見たり 聞いたり 試したり」がベース。
多くの若い人たちが「鳴釜」を試しているのにうれしくなりました。

鳴釜のモデル釜の製作はいたって簡単。 材料は缶ビールのアルミ缶3個と細かい金網とあとはシール・組立用のビニールテープ・アルミテープ。
アルミ缶ひとつは底を残して上部を切り取り、上部に金網を張る。残りの2つは上下を切り取り、先の金網を張った缶に竪に被せて、円筒のモデル釜とする。
つなぎ目はビニールテープで固定してその上にアルミテープをしっかり巻きつけ、気密を図る。
15分もあれば完成である。 
このモデル釜に底の缶の半分程度お湯を入れ、ガスコンロで加熱沸騰させ、蒸気が盛んに立ち昇るのを確認して、円筒の上部から「白米」を入れてゆくと、澄んだ「ぽぉ〜 ぽぉ〜」の音が鳴り響き、15秒ほどで鳴り止む。
そして 火を切ると一瞬置いて、再び澄んだ「ぽぉ〜 ぽぉ〜」の音が鳴りだし、それから消えてゆく。

「唸り」はどうも 金網の所に温度の低い白米が投入され、温度の急勾配ができたことによるらしい。

温度勾配のある細い隙間を蒸気が通り抜けるときに急に冷やされて凝縮。この周辺には刻々変化する細かい空気圧の違い・乱れが発生。
この空気の揺れ・ゆらぎが連続し、振動が励起されて筒と共鳴振動を起こして大きな音を出す。
そして、この揺れは温度勾配がなくなるまで続き、温度が均一になると音が止む。

加熱を止めるとアルミの円筒筒は一気に室温に冷やされ、底の釜(一段目の缶)内部では、一気に水蒸気が凝集しはじめ、
同時に、先に100度近くまで上昇した白米は冷えにくく、この部分周辺に再度大きな温度勾配が発生し、
ここでもまた「唸り」音が出る。

( 木製の蒸篭・すのこでは 熱容量が大きいので 蒸篭のすのこ周辺では急冷しないので、
  加熱をストップ後の「唸り」音はでにくいだろう。 ) 

澄んだ不思議な音。 「鬼の唸り」の音である。 

ちなみにこの音の周波数は円筒の長さ 大きさは水蒸気の上昇気流の速さにより変化するという。

この現象は円筒管の一部に大きな温度勾配部を作って空気の乱れを作る時に発生する「レイケ管」のメカニズムに近いといわれる。
「鳴釜」では温度勾配がレイケ管ほど大きくないが、それに水蒸気の凝集が加わり、空気の揺らぎを作り出す。
アルミ円筒モデル釜での火を切った後 再度「唸り音」が出るのは「レイケ管」の現象と同じといえるかも知れない。



 
 

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本資料に用いた吉備津神社 御釜殿「鳴釜神事」の写真は吉備津神社 御釜殿前の「鳴神神事」案内板の写真から取らせていただきました。
また、「鳴釜」のメカニズムについては 下記インターネット参考資料より とりまとめました。
【参  考】
1.【和鉄の道】 古代の大製鉄地帯 桃太郎伝説の吉備路walk 鬼ノ城を訪ねる 2010.1.15.

2.【和鉄の道】 桃太郎説話の元となった「温羅」伝説

3. インターネット参考サイト

 
1. 釜鳴り現象の解明と応用 土浦工業高校理科研究部 http://members.jcom.home.ne.jp/rikaken/genden/2003.html
2.
レイケ管と鳴釜神事 北海道立理科研究センタ
3. 「水蒸気かま鳴り」の真実 http://members.jcom.home.ne.jp/kobysh/experiment/kama/kama.html
4. レイケ管による熱音響自励振動の可視化  http://etech.engg.nagoya-u.ac.jp/gihou/v3/21.pdf
 
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 1003narukama00.htm    010.2.10.  by Mutsu Nakanishi